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「…鳶さんって、何か冷めてますね」
「…は?」
熱いハートを持っているこの俺を冷めているだと?
今も雑誌に載ってるバイク見ながらウキウキしてたっつーのに。
「お前の目にそう見えるならそうなんじゃねーの?
俺は自分の事冷めてるなんて思わないし。それとも何?慰めて欲しいのか?
両親が構ってくれなくて寂しいね、可哀想だね…って?」
雑誌から目を上げて鷹子を見た。
ぎょっとした。
涙を瞳に溜めてはいたものの、俺を睨んでいたから。
「それだけじゃないです!」
そう言ったはずみに、涙が頬を伝う。
「あなたに、親の敷いたレールの上しか走る事を許されない私の気持ちが分かりますか!?」
今まで誰にも言えなかった押さえていた感情が溢れだしたかのように鷹子が泣きながら叫ぶ。
「やりたい事も許されない、自分の意志を主張する事もゆるされない…
親の決めたレールの上をただ走って、将来は親の決めた結婚相手と結婚して子供を産んで…!
ただの人形であるしかない私の気持ちが…!!」
ポロポロと涙を流す鷹子。
それを見ていた俺は…
「いや、分かんねーし」
何か面白くなって来た(笑)
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