能あるタカは爪を砥ぐ。

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「昔の鳶って結構えげつない事やってたらしいよ(笑)」 「なに?」 「何かね、気に入らないことがあったら足場組んでも作業途中なのに足場バラして帰っちゃったりとか~」 「マジか」 そんなことしたら作業進まないじゃん。 「現場には鳶ありき、って感じの時代があったみたいよー」 「今の時代そんなのやったら、速攻で営業停止くらいそうだな(笑)」 「そんな事になったら、俺っちメシ食っていけなくなるじゃんよ(笑)」 こんな軽口をたたける仕事仲間は今の所こいつしかいない。 気心が知れてるっていうか… やっぱ、年が近いのがあるからかな? 「こら!坊主たち!喋ってないで安全確認始めるぞ!」 隼人と盛り上がっていたらケンさんに怒られた。 「ま、積もる話は仕事終わってからにしよーぜぃ!なんか面白い話考えといてよ!」 「なんもねーよ(笑)」 俺と隼人は小突きあいながらケンさんのもとへと走った… .
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