能あるタカは爪を砥ぐ。

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くだらない話をしながら歩いていたら、あっという間に俺んち。 2人で部屋の中に入って牛丼を食べ始める。 「相変わらず、殺風景な部屋だな~」 「ほっとけ(笑)」 俺は意外と几帳面な性格らしく、雑誌類は散乱していない。 きちんと月毎、種類ごとに本棚に並べている。 「やっぱ、バイク好きなんだな」 「おー。いつか、買う(笑)」 「がんばれ(笑)」 それからしばらく無言でガツガツと牛丼を食べた。 お茶のペットボトルの蓋を開けながら俺は隼人に聞いた。 「んで?話ってなに?」 歩いている時に話していたことは、隼人が俺に聞いてほしい事だったとも思えないほどくだらない事ばっかりだった。 ま、そのくだらない話も面白いんだけど。 「え?あー…実はさ」 俺が渡したお茶を手のひらで遊びながら隼人が口を開く。 「…不倫ってどう思う?」 ブー!!!! キャップを開けたお茶のボトルを口につけ、一口含んでいた俺は盛大にお茶を吹き出した。 「キタネ!!」 隼人に思いっきりかかりました… 「いや、ワリ」 畳んであるタオルを隼人に投げる。 それで顔を拭く。 「お茶フイタ人初めて見たわ(笑)」 「俺も初めてフイタっつーの!で、何だよいきなり?」 17歳の俺にはちょっと刺激的なフレーズ!! 「だから、不倫だよ!不倫!どう思う?」 至極真面目な顔をして再度言ってくる。
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