能あるタカは爪を砥ぐ。

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「おつかれー」 「お疲れッス」 「亜紀良さんも一緒に食うの?」 「そうよー。皆で食べた方がおいしいじゃない?」 にこっと笑う笑顔は素敵すぎる。 「トンビ!花だよ花!!ムサッ苦しい中に一輪の花!!」 バンバン!とテンションが上がった隼人が俺の背中を思い切り叩いて来る。 「いてぇよ!バカ力!!一番ムサッ苦しいのはお前だろ!」 「ええー」 「ふふっ、相変わらず仲がいいのね」 「んなことないって!」 亜紀良さんの言葉を否定する俺。 「俺っちたち、マブっすから!!」 弾ける笑顔で亜紀良さんの言葉を肯定する隼人。 「あっはは!2人とも真逆の事言ってる(笑)」 「えー!ちょっとトンビ!そりゃなくね?」 「もー…ネツイ」 腹を抱えて笑う亜紀良さんに、何かしつこい隼人。 「ほーら、騒いでないで食べちゃって!!もう少ししたら他の子たちも帰ってくるから!」 「はーい!!」 6人がけのテーブルなので食事が出来るものからしていかないと全員集合したら狭くなる。 出来たてあつあつの、とんこつスープがベースの鍋に箸を付ける。 「こ、これは…!シメはラーメンで決まりだな!!」 隼人がそう言うと奥さんがキッチンから… 「そー言うと思って買って来てるから鍋が開いたら声かけてちょうだい!」 と言った。 「うおー!!ラーメン!!」 テンションが上がった隼人は猛スピードで平らげて行く… 「ちょ!お前!!俺らの分なくなるだろ!!」 「すごい食べっぷり…」 俺は慌てて皿に鍋の具を掬いあげるけど、亜紀良さんは箸を止めて隼人の食べっぷりを見てた。
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