能あるタカは爪を砥ぐ。

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「明日、昼前…か」 ふふふ、と隼人が笑う。 「…帰れよ」 「帰るわけないじゃーん!!俺っちもいるぜ!!」 「うわぁ…」 明日、家に居てと言われた俺より何故かテンションが上がっている隼人。 「しかも女子高生!!あの制服って愛華女子学院のだろ?」 「そこまでしらねーよ」 鷹子は塾帰りにここへ寄ったのか、また制服だった。 「愛華っていったら、お嬢様学校だよな?女子高だけど隣接するみたいに男子高があるとこ」 「ああ…」 確か、敷地は仕切られているけど塀と樹木を挟んで隣り合っている男子高と女子高。 どちらも金持ちのボンボンが行く所だ。 「男子高なんて名前だったっけ?」 「…桐生学園」 「あ、そうそう。よく知ってるな」 「聞いた事があるだけ」 この両校は、金持ちだけが通っているわけではなくて優秀な人材とやらも募集している。 頭が良ければ推薦入学、学費減額及び免除の対象に入る事もある。 「高校か~…」 ボケっとした顔で隼人が呟く。 「なに、高校いきてーの?」 「…いや、あんま勉強好きじゃなかったから」 「ふーん」 行ってもいない高校に、もし自分が普通に高校生になっていたら…という妄想を抱いても仕方ない。
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