13人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
で。
3人で小さなこたつテーブルを囲んでテーブルの上に乗っている2段の重箱(!)を見つめる。
鷹子が若干震える手で蓋に手をかけた。
何でお前が震えてる?
「…開けます!!」
まるで、パンドラの箱を開けるかのように決意のこもった瞳で言う。
その蓋は、開かれた。
「おお~!!!!」
「・・・」
隼人が感激の声を上げる。
「…マトモに見える」
中を見た俺は、そう呟いた。
卵焼きに、ベーコンにまかれたアスパラ。
から揚げにきんぴらごぼう。
2段のうち1段はおかず、もう1段はおにぎり。
「ど、どうぞ!!」
「いっただっきまーす!!」
隼人はなんの躊躇いもなく卵焼きを口に放りこんだ。
俺もそれに続く。
「…甘い」
「でもおいしーじゃん!」
卵焼きには砂糖が入れてあるようで甘かった。
「甘いの、ダメでした…?」
「いや、ダメな事ないけど俺は卵焼きは出汁派だから」
「俺っち醤油~」
誰もお前の好みは聞いていない。
「こ、今度は出汁巻き卵挑戦します!!」
「ああ…」
何、また今度とかあるわけ?
隼人は2個目の卵焼きを口に入れた。
ガリ。
「ガリ?」
卵焼きを食べたにしてはありえない音がして俺は隼人を見た。
「…殻、入ってた」
「すすすすす、すみません!!」
鷹子が慌てる。
「いやいやいや!!この甘い卵焼きで糖分と…カルシウムが採れるんだから身体に優しいよねー!!ね!?トンビ!!」
苦しい言い訳だな(笑)
「お前はカルシウムとっとけ」
「…トンビ?」
鷹子が首をかしげた。
っていうか、引っかかるとこそこかよ!!
最初のコメントを投稿しよう!