タカも居ずまいから。

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それから私はお菓子教室に通いながら自分で料理の仕方を調べてメモを取っていた。 お菓子作りも料理も通ずるところがあるなーと思った。 学ぶことに、きっと無駄なんてない。 「おはようございます」 そう言いながら教室のドアを開ける。 学校での挨拶も、少しずつだけど色んな人と出来るようになってきた。 ぽつぽつと挨拶を返してくれるクラスメイト。 「おはよう芹澤さん」 私の苗字は芹澤。 「七種(ナナクサ)さん、おはようございます」 快活な笑顔で七種さんに挨拶をされると、私も自然と微笑むことができる。 鳶さんに言われて初めてまともに挨拶ができた相手が七種さん。 それから少しずつ話をするようになったクラスメイト。 「七種さん、私ね 最近お菓子教室に通ってて…もしよかったら貰ってくれませんか?」 そう言いながら私はカバンからラッピングされたクッキーを取り出した。 それをみた七種さんの瞳が輝く。 「え、クッキー!?いいの!?」 「ええ。ぜひ、ご兄弟で召し上がってください」 七種さんは兄弟が多いらしい。 家計を助けるためにアルバイトもしているとか。 なら、なんでこんなお嬢様学校と言われる所に来たのか疑問は残る。
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