タカも居ずまいから。

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私は持ってきていたクッキーの袋を3つ七種さんに渡した。 「ありがとう!ねぇ、前から思ってたことがあるんだけど…」 いそいそとクッキーをカバンに直しながら七種さんが言う。 「私の事はまゆりって呼んでくれて構わないから、芹澤さんの事も鷹子って呼んでもいいかな?」 七種さんの申し出に、私は一瞬固まった。 名前で呼び合うの? クラスメイトと? 「えっと…嫌ならいいんだけど」 固まった私を見て、七種さんがばつが悪そうに言う。 「ちちちち、違いますっ!嫌じゃないですっ!」 勘違いされては困る!! 「あのっ、私、クラスメイトに名前で呼ばれた事がなくて…!びっくりしたと言いますか…!!」 「あ、じゃぁ呼んでオッケー?」 「はい!」 「それと、その敬語ってどうにかならないの?」 「敬語…は、癖みたいなものなので…」 「そっか。無理は言わないからため口きいてくれたら嬉しいな」 「善処します…」 うわぁ、すごい。 名前で呼び合えるクラスメイトが出来た!! これも、鳶さんが言っていた笑顔で挨拶から始まった事。 「それと、クラスメイト…っていうか、もう友達だよね?私たち」 屈託のない笑顔で七種さん…まゆりは言う。 「私なんかが友達で、いいんですか?」 「鷹子のダメな所一つ見っけ!」 「えっ?」 「私なんか、って言ったらダメだよ!約束しよう!」 そう言うまゆりは、とても眩しくて。 私とは正反対だなと思った。 .
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