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私とまゆりは、移動教室やお弁当も一緒になる事が多くなった。
いつもまゆりが誘ってくれるようになった。
ただ、私はまゆり以外の人とはまだ挨拶や必要事項を伝える程度の会話しかしていない。
ある日の昼休み、中庭でまゆりとお弁当を食べていると。
「なんか、ごめんね?」
突然まゆりに謝られた。
「えっ?何のこと?」
「なんか、私と仲良くしてるから鷹子に他の子が寄り付かない感じになってる気がして…」
「ええ?」
それは、どういう事だろう。
「ほら、私って家が貧乏でしょ?なのにこんなお嬢様学校に来てるし。就学支援制度も利用してるけどさ」
就学支援制度?
「家の所得が一定額を満たされてなかったら授業料が無償になったり補助金が出る制度。それプラス、バイトして稼いだお金も学費に消えてるかな。私以外にこの学校でバイトしてる人なんていないと思うよ?」
ただ、それだけで浮いた存在だと言う。
「そんな事ないです。…まゆりは、自立していてかっこいいと思います」
私とは全然違う。
「私は、親に決められたことしかしてこなかったから…」
「…私もだよ」
「え?」
「私も、決められてこの学校に来たようなもんなんだよー。ほら、この学校の隣に男子校あるでしょ?」
この学校…愛華女子学院の隣には男子校が併設されている。
校舎やグラウンド、体育館に至るすべてが鏡合わせのように作られた学校だった。
その男子校の名前は、桐生学園。
会社社長の跡継ぎ息子や、名家と言われる家の御曹司などが在籍している。
もちろん、普通の一般家庭の生徒も居る。
頭が良ければ推薦入学、学費減額及び免除の対象に入る事もあるから。
「そこに通ってるボンクラと許嫁になってて、結婚したくないなら愛華女子学院を卒業することっていう条件出されちゃってさー。今に至るんだけど」
「ボンクラ…?」
「そ!誰があんなボンクラと結婚なんかするもんですか!絶対卒業してやるんだから!」
「…まゆりはすごいなぁ。私とは全然違います。私、今まで周りに反抗とかした事がなくて…」
「それってさ、反抗をする事が許されなかったんでしょ?」
反抗をした事がないと言うのと、反抗をする事が許されなかった…の違いとは。
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