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「お前、ニッカをバカにしたな…?」
さっきまでは惰性で女子高生を助けてみようかな、と思ってたけど…
ニッカをバカにしたような発言に俺のスイッチが入る。
「はぁ?なんだそれ。しらねーし!」
と、男が言った瞬間俺は2歩足を踏み出して身体を捻りながら大きく飛び上がった。
ガッ!
調子こいてた男の側頭部に見事な後ろ回し蹴りが決まる。
ドサっ
白目剥いて男が倒れた。
「・・・」
沈黙が降りる。
が、女子高生を掴んでいた男が激昂する。
「何しやがんだテメー!!!」
女子高生を離して俺に突撃してくる。
振り回してくる拳を何なく避けて、カウンターを狙った。
「ぐふっ!」
自分の突進の勢いがそのまま自らの鳩尾に返って来て、男はうめき声を上げてうずくまる。
地面に膝を付いた男を見降ろして俺は言う。
「フルボッコ希望?」
ニッコリ笑顔の俺とは対照に、跪いている男は涙目になって首を激しく横に振った。
「そ。残念。おーいジョシコーセー!行くぞ」
一部始終をただ、呆然と見ていた女子高生は俺の声に我に返り小走りに走って来た。
「とりあえず、公園から出るぞ」
「は、はい…!」
鞄を抱きしめたまま、女子高生は歩いて行く俺の後ろをついて来た。
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