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まゆりと振り返ったら、少し離れたところに男子生徒が2人。
もちろん私は知らない人。
「まゆり?」
西園寺(サイオンジ)と言う人に注意した男子生徒がまゆりを見て言った。
「蒼真(ソウマ)?」
「まゆりも実行委員になったのか?忙しいから無理じゃないか?」
まゆりに蒼真、と言われた人はまゆりの身を案じるほど親しい人なのかな?
「あ、鷹子。この人は土屋蒼真(ツチヤソウマ)。バイト先の同期なの」
黒髪を短くカットし、きりっとした男らしい眉に意志の強そうな瞳。
「蒼真、この子は芹澤鷹子。友達」
「どうも」
「あっ、こちらこそ」
土屋さんがぺこっとお辞儀をしてくれたので私も返す。
「ちょっとちょっと~。まゆりちゃん?僕の事忘れてない?」
最初に私たちを邪魔だと言った人がここでやっと発言した。
「えーと、鷹子ちゃん?僕は西園寺倭(サイオンジヤマト)。まゆりちゃんの将来の旦那様だよー」
え、この人が?
思わずまゆりの顔を見る。
うわ、ものすごく嫌そうな顔してる。
まゆりは西園寺さんを無視して私の腕を引っ張った。
「鷹子、いこ」
「う、うん」
私たちがサロンの中に入ると、土屋さんたちもついて入って来た。
中の会議室にはすでに何人かが着席していた。
テーブルに学校名と学年が書いてある紙が貼ってあったので、自分の席を探して座った。
土屋さんたちと真向かいになる。
西園寺さんはまゆりを見てにこにこしている。
悪い人…ではないのかな?
にこにこしている西園寺さんの隣にいる土屋さんは無表情で、なんだかちぐはぐな感じがした。
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