タカも居ずまいから。

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「ふむ…今年の1年は一癖もふた癖もありそうだな」 狩場会長が面白そうに言う。 「まぁ、それぞれの事情はあるとは思うけれど出来るだけ委員会に参加して頂戴ね?それなりのメリットはあるから」 美倉会長も続けて言った。 「メリット、ですか?」 土屋さんが尋ねた。 「そう。この合同体育祭が無事に終わったら実行委員会になった人には特典があるのよ」 そう言ったものをつけないと、なかなか決まらないのだとか。 「どんな特典ですか?」 「基本的には本人の希望を叶える感じかしらねー」 何だろうその大雑把な返答は。 「例えば、食堂のAランチBランチ1か月無料券とか、単位が足りてない科目をギリギリまで引き上げてもらうとか」 金銭的な事と、成績関係の事まで希望が通るの? 「まぁ、それも簡単ではないけどね。単位が足りない科目に関しては一応小テストを受けないといけないし、食堂の無料券にしてもAランチかBランチかしか選べないし、1週間のサイクルだから飽きるし」 でも、愛華女子の食堂メニューは一般の学校と比べると内容はとても充実していると言われている。 「あー、食堂1か月無料は魅力的かも…。それってもう少し期間伸ばせることはできないですか?」 まゆりが美倉会長に尋ねる。 美倉会長はふふっと不敵に笑うとこういった。 「どれだけ委員会に貢献できたかで可能ではあるわ」 まゆりの目が輝いた気がした。
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