タカも居ずまいから。

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* * * あれから慌ただしい日々が始まった。 代表の中でも各担当を決めてその準備に取り掛かる。 全体の流れの司会進行は2年生が毎年担当しているらしい。 来年も実行委員会にならないことを祈るしかない。 1年は雑用が主な仕事だ。 鉢巻きやゼッケンの在庫の確認、クリーニングの手配や、各競技で使う備品のチェックなど。 リストと照らし合わせて確認していく。 これが結構地味で細かい作業だったりする。 「はぁ~…疲れた」 玉入れの玉の数を数えていたまゆりが大きなため息をついた。 「お疲れ様。数え終わったの?」 合同体育祭での玉入れは4色ある。 チームが4組あって、同時に競技をするからだ。 「あと青だけー。玉入れの玉の数なんて大体合ってれば良くない?」 「うーん、でもきっちりしてる方がもめないと思うから…」 「たかが体育祭の玉入れで…」 まゆりがうんざりとして言い捨てた時、逢澤先輩がやって来た。 「あはは~。苦労してるね!これ、差し入れ!」 逢澤先輩が紙パックのイチゴオレとフルーツオレを差し出した。 「ありがとうございます」 そう言って私はイチゴオレ、まゆりはフルーツオレをもらった。 パックからストローを外していただく。 「備品チェックは面倒だけど、大切な仕事だから頑張ってね。玉入れにしたって、ただの玉入れじゃないんだよー」 「え、そうなんですか?何か特殊な玉入れなんですか?」 まゆりが尋ねる。
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