13人が本棚に入れています
本棚に追加
*
*
*
あれから慌ただしい日々が始まった。
代表の中でも各担当を決めてその準備に取り掛かる。
全体の流れの司会進行は2年生が毎年担当しているらしい。
来年も実行委員会にならないことを祈るしかない。
1年は雑用が主な仕事だ。
鉢巻きやゼッケンの在庫の確認、クリーニングの手配や、各競技で使う備品のチェックなど。
リストと照らし合わせて確認していく。
これが結構地味で細かい作業だったりする。
「はぁ~…疲れた」
玉入れの玉の数を数えていたまゆりが大きなため息をついた。
「お疲れ様。数え終わったの?」
合同体育祭での玉入れは4色ある。
チームが4組あって、同時に競技をするからだ。
「あと青だけー。玉入れの玉の数なんて大体合ってれば良くない?」
「うーん、でもきっちりしてる方がもめないと思うから…」
「たかが体育祭の玉入れで…」
まゆりがうんざりとして言い捨てた時、逢澤先輩がやって来た。
「あはは~。苦労してるね!これ、差し入れ!」
逢澤先輩が紙パックのイチゴオレとフルーツオレを差し出した。
「ありがとうございます」
そう言って私はイチゴオレ、まゆりはフルーツオレをもらった。
パックからストローを外していただく。
「備品チェックは面倒だけど、大切な仕事だから頑張ってね。玉入れにしたって、ただの玉入れじゃないんだよー」
「え、そうなんですか?何か特殊な玉入れなんですか?」
まゆりが尋ねる。
最初のコメントを投稿しよう!