タカも居ずまいから。

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この合同体育祭の委員会に参加することによって私は人との関わりが増えて行った。 初めは戸惑う事とか人見知りをして挙動不審になってしまっていたけど今では自然と2年や3年の先輩と話が出来るようになっていた。 また、委員会での話を1年の各クラスの体育委員に伝達する仕事もあるので他のクラスの事話す機会も増えた。 「芹澤さんって、話しにくいかと思ってたけどそんな事なかったんだね」 まゆりがアルバイトの日、一人でクラスの体育委員に連絡事項を伝達して回っていた時だった。 「え…そう、ですか?」 「うん、なんか真面目~って感じがしてて勉強以外に興味ないのかなって。そんなわけないのにね」 「あはは…」 そんな風に見られていたんだな… 「あと、七種さん?彼女とも仲が良いみたいだから人によってはそれだけで避ける人も居るし…」 「えっ?それはどういう事ですか?」 その子から聞いた話は、前にまゆりから聞いていた話と大して変わらな内容だった。 家が貧乏でアルバイトをして生計を立てているとか、桐生学園の御曹司の許嫁、とか本当の事からない事まで… 「あっ、ごめんね?七種さんと仲の良い芹澤さんに言う事じゃないよね…」 「いいえ、大丈夫です。本人から聞いてた事と根拠のない噂話みたいなので」 「やっぱそうなんだー。人の口っていい加減だよね」 「そうですね。ではまた何かあったら連絡に伺いますね」 私はそう言ってお辞儀をして立ち去った。
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