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「亜紀良さん!!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
私とその亜紀良、と呼ばれた女性が振り返る。
「あっ、トンビくんお帰り~!!」
亜紀良…さんが、鳶さんに向かって手を挙げて笑った。
「ちょっと亜紀良さん!親方がまだ帰ってこねーから見てこいって言うから何してるのかと思えば女子高生ナンパ!?」
「やぁねー、なんだか困ってそうだったから話しかけただけよぉ。ねぇ?」
「あ、はい…」
「ってなんだよ、鷹子じゃん。何してんのお前」
鳶さんと亜紀良さんは知り合い・・・?
「何、トンビ君の彼女だったの!?」
「ぇええ!?違います違いますっ!!」
私は必死に否定した。
そんなの、鳶さんに失礼すぎる!!
「何言ってんの亜紀良さん…いいから早く帰ってよ。親方うるさいし」
「分かったわよー。今度ちゃんと紹介してよぉ?みんなにはまだ内緒にしといてあげるから♪」
「はいはい」
鳶さんはそう言うと亜紀良さんに手を振って見送った。
「で、何してんの?」
鳶さんが私を見て言った。
髪の生え際が少し黒髪になっていた。
「…お久しぶりです」
「うん、でも今あんま時間ない」
「あ、すみません…あの、鳶さんはスマホ持ってますか?」
「…持ってるように見える?」
「分からないので聞きに来ました」
「…ストレートすぎ」
鳶さんが口元を抑えて言う。
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