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「ハイハイ、皆私の話を聞いてね~」
薫先生は魅惑の笑顔を浮かべ、注意を促す。
やはり、クラスの男女はその笑顔に癒されるために、話を止めたが、俺は話はしてないものの、癒されはしなかった。
(やっと、SHRか…)
俺はフラれたショックか、時間感覚が皆の倍の時を過ごしているように、感じていた。
ちなみに、俺は薫先生に注意を受けてから、一人で加奈が自分をフった理由を考え、一人悶々としていた。
例えば、俺に魅力がないからか?とか、誰かに脅迫されたのか?とかだ。
ぁぁ、言い出すとキリがない!!
俺は全く見当が付かない自分の仮説を再度考え直し、うんうんと唸っていた。
「あの、有明君?今日の君、おかしいよ」
俺のそんな滑稽な姿を見て、笑顔を引きつらせながら、少し引いている薫先生。
クラスメートからも、いつもとは違う俺を心配してくれている奴もいたが、
俺をバカにしたような笑み(主に委員長と悪友達だが…)を浮かべる奴もいた。
「俺は大丈夫です!」
俺は空元気で、なんとか力の無い作り笑いを見せた。
心の中でウワっ、最ッ高にダサいな、俺と思いながら…
それを見て、少し安心したのか薫先生はそれ以降は俺に触れてこなかった。
それが今の俺にとっては、せめてもの救いだと、俺は薫先生に心の中で感謝した。
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