俺のANSWER

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俺は夢を見ていた。俺達が付き合うことになったあの日の夢だった。 ◇◇◇◇ あれは確か… 1ヶ月前の11月の寒い冬だっただろうか… その日俺が登校して、下駄箱を開けると、見に覚えのないハートマークの便せんが付いた手紙が入っていた。 もしかすると、ラブレターなのか? そう思った俺はおそるおそる内容を確認した。 「え~と、昼休み1-4の空き教室に来て下さい。荒巻加奈より… 荒巻加奈さん…。聞いたことないな…」 もしかして、私と付き合って下さいとかだったりして… 俺は淡い期待を胸に昼休みを待った。 そして、指示通り昼休みに1-4の空き教室に向かった。 一度深呼吸をして心を落ち着かせ、ドアを開けた。 そこには、窓際の柱に持たれて、一人本を黙読している茶色の眼鏡をかけた長い黒髪の女の子がたっていた。 俺はその弱々しげも可憐で美しい女の子の姿に心奪われ、呆然と立ち尽くしていた。 早い話がタイプだった。 そして、彼女も俺に気づいたのか、本で隠しきれていない真っ赤な顔を隠しながら、右手で手招きするような仕草をとった。 俺の体はそれに応えるように一歩ずつ力強く踏みしめた。 気がつくと、彼女が俺を見上げるところまで近づいていた。 そして、彼女は照れ臭そうに俺と目を合わせずに、小さな声だが、はっきりと言った。 「私と付き合って下さい、有明一君」 え?罰ゲームか、これ?そう聞き返したくなる一言だった。 しかし、彼女の素振りから考えると、これは“マジ”なんだろうと思えた。 そして、俺が下した決断は… 「いいよ、これからよろしくな」 俺はそう言って、ニコリとはにかみ、手を差し伸べる。 彼女も恥ずかしながら、手を差し出す。 そして、二人の手が互いにギュッと握られた。 ◇◇◇◇ これが俺の恋の始まり… そして、今日これが終わったんだ…
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