夢と現実と

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実は、絵画鑑賞が大好きで世界史が大好きな蒼月 碧藍は、『美学美術史』または『西洋史』を学び『学芸員』の資格をとり美術館で働きたかったのだが、大学受験を失敗してしまった。 仕方なくというか、絵画鑑賞や西洋史は趣味でもできると諦めてしまったわけである。 いま、夢に向かって専門学校へ進学した娘を見ていると、なぜ諦めてしまったのか悔やむことがある。 ただ、運命のいたずらなのかこの後、世の中は「就職難」時代に突入していく。 高卒の蒼月 碧藍が仕事を覚え始めた4年後、同級生が4年制大学を卒業した時には、まさにバブルがはじけ飛んで就職難時代に入る。 よく、若い子たちに「バブル時代楽しんだのでしょ?」と言われるが、このバブル時代を蒼月 碧藍は経験していないのだ。 昨今のアラフォーを皆さん誤解しているのである。 1970年以降に生まれたアラフォー世代は、社会人になったときはとっくにバブルがはじけていた。 バブル時代を満喫したのは1970年以前生まれだ。 蒼月 碧藍の2年先輩も大学へ進学したため、就職は大変だった。短大へ進んだ友達だって4年生が就職難なのだからもっと厳しかった。 就職した途端に、やれボーナス減額だの経費削減だのばっかりだったのだから。 そう考えると、まだ就職先が余るほどあったときに就職できたことは幸運だった。 人生って後から振り返ると不思議な縁で進んでいるように感じる。
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