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早朝の少女の事などすっかり忘れ、定時通りに営業周りから戻った真司は、松本と高木と3人で繁華街に繰り出した。
鶴は千年。 通称、鶴千。
繁華街にありながら昔ながらの外観と内装がノスタルジックな雰囲気を生み出し、この辺りのサラリーマンから特に支持されている。
松本の意向であらかじめ予約していた、その居酒屋に3人は向かった。
女将らしき人物が松本の姿を見つけるといなや、彼女は店内から飛び出すように松本達を迎えた。
「松ちゃん! 久しぶりじゃない!
あら、その方達は?」
松本は照れ臭そうに彼女に真司と高木を紹介した。
「あ、あぁ、こいつら俺の部下だよ。こっちが高木で、こいつが大平。
2人とも俺の自慢の部下だよ」
松本はそう言うと赤面しながらポリポリと頭を掻く。
「松ちゃんも遂に、上司になったって訳ねー!
さぁさぁ、寒いし中に入って入って!」
彼女は満面の笑みを浮かべながら松本達を店内に招き入れた。
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