訪問者

4/10
前へ
/10ページ
次へ
カップ麺を無言で平らげると、そのまま真司は再びベッドに倒れこんだ。 無意識にリモコンを手に取りテレビの電源を入れる。 どの局もニュースばかりで、真司の気をひくような番組は放送されていなかった。 観ている訳でもなく、ただ見ているだけ。 これまでの一連の流れから、後は風呂に入り寝るというのが全て真司のライフスタイル。 充実しているとはとても言える様な生活ではない。 真司自身もうんざりしていた。 大きな変化もなく、ただ作業的に消化されていく日々。 変化を求めるものの、行動に移さない。 それが大平真司、二十六歳、独身。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加