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少女の顔は俯いている為に見えないが、見た目からの印象は十歳程だろうか。
制服を着ている訳でもなく、服装はダウンジャケットにストレートパンツにスニーカー。
その傍には少女の胴体より一回り小さいボストンバッグ。
ー 察するに家出少女か…? ー
真司はそう思った。
しかし何故、真司の自宅前で居座っているのかは分からない。
そんな事を考えていても仕方がないと判断した真司は腕時計を確認する。
時刻はもうすぐ七時半を迎えようとしている。
ー まぁ…、まだ時間は余裕があるな… ー
真司は意を決して少女の肩を揺さぶった。
「ねぇ、こんな所で寝てると風邪ひくよ? お家に帰りなよ?」
しかし、少女から返事がない。
数秒が経っても返事がない為、真司は先程より強く揺さぶりながら声をかけた。
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