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「こんな所で寝てないでさ、早く自分の家に帰った方が…」
強い揺さぶりをかけられて目が覚めたのか、少女は真司の言葉を遮るように眠たい目を真司に向けた。
互いに目が合い数秒経った時、先に口を開いたのは真司だった。
「何があったか知らないけどさ、帰りなよ?
今日は学校の日でしょ?」
しかし少女は口を開こうとはせず、再び俯き始めた。
ー … 厄介だな… ー
呆れかけた真司は再び少女に問いかける。
「こんな所にいつまでも居られると困るしさ。
早く帰りな」
その真司の言葉にも反応を示さない少女。
真司は憮然たる表情を浮かべながら腕時計を確認する。
時刻は先程の時間から十分程が経過していた。
出勤時間が迫っている真司は、少女に「とにかく、帰りな?」と、
一言言い残し、その場から立ち去っていった。
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