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半ば自分に言い聞かせるようにしていると、男がポツリと呟いた。
「アイム……ハングリー……」
と。
更に顔を伏せたまま、男が私の方に凄まじい勢いでほふく前進してきた。
こちらも更にびくぅっと身体が硬直する。
そうして、男がゆらゆらと立ち上がり、私の肩をガシッと掴んだ。
「ヘルプ……ミー……。ギブミー……ユァ、ホットドッグ!!」
男がびしっと私の持つホットドッグを指差した。
……前衛的な大道芸?
いや、違う違う!!
これ、大道芸じゃない!!
これ……居直り強盗とかたかりとか……犯罪の類いっていうか……いや、それとも違うみたいだけど……結論。
怖い!!
むちゃくちゃ怖い!!
なんかいろんな意味で怖い!!
私の中の警報器が言ってる!!
『ユー、逃げちゃいな!!』
って!!
ジャニさんみたいな口調で言ってる!!
でも、逃げられない!! 怖くて逃げられない!!
どうしよう!! どうしよう!! マジでどうしよう!!
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