312人が本棚に入れています
本棚に追加
つか、ぶっちゃけ、関わりたくない。
この男からは危険な香りしかしない。
「あー……そうなのね。教えてくれてありがとう。じゃ、私、行くから」
そう言いながら、逃げようと男にくるんと背を向けた。
「待て、こら」
逃げようとする私の服を男が掴む。
「ちょちょちょちょっと!? 何!? まだ何かいるの!? 何か食べたいの!? エサはもうないからね!?」
「人を質の悪い野良犬みたいに言うんじゃねぇよ!!」
いや、まさしくその通りだから!!
「お礼がしたいんだよ」
「……へ?」
意外なことを言われて、思わずキョトンとする。
「ホットドッグのお礼。ついて来いよ」
そう言いながら、私の腕を引っ張った。
ちょちょちょちょっとぉぉ!? なんなの!? この男!?
ひょっとしたら……
マンハッタン名物『凶悪犯罪者』なのでは!? この男!!
お礼がしたいと言いながら、どこか茂みに連れ込まれてあふんなことされたり、人身売買されたり!!
きっとそうだ!! そうに違いない!!
最初のコメントを投稿しよう!