セントラルパークで会いましょう

8/15
前へ
/29ページ
次へ
つか、ぶっちゃけ、関わりたくない。 この男からは危険な香りしかしない。 「あー……そうなのね。教えてくれてありがとう。じゃ、私、行くから」 そう言いながら、逃げようと男にくるんと背を向けた。 「待て、こら」 逃げようとする私の服を男が掴む。 「ちょちょちょちょっと!? 何!? まだ何かいるの!? 何か食べたいの!? エサはもうないからね!?」 「人を質の悪い野良犬みたいに言うんじゃねぇよ!!」 いや、まさしくその通りだから!! 「お礼がしたいんだよ」 「……へ?」 意外なことを言われて、思わずキョトンとする。 「ホットドッグのお礼。ついて来いよ」 そう言いながら、私の腕を引っ張った。 ちょちょちょちょっとぉぉ!? なんなの!? この男!? ひょっとしたら…… マンハッタン名物『凶悪犯罪者』なのでは!? この男!! お礼がしたいと言いながら、どこか茂みに連れ込まれてあふんなことされたり、人身売買されたり!! きっとそうだ!! そうに違いない!!
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

312人が本棚に入れています
本棚に追加