セントラルパークで会いましょう

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※ ※ ※ ※ 「よいせっと」 男が私を強引に連行して行った先は、セントラルパークの隅っこの茂みだった。 男が茂みから、大きな風呂敷包みを取り出した。 ……すげぇ。今時、唐草模様の風呂敷って。 よくマンハッタンに売ってたな……。 私が妙なところに感心していると、男が風呂敷をひろげて、中のものをがさがさと漁り出した。 「これ」 「これ?」 男が一枚の色紙を手渡してきた。 「さっきのお礼」 よく見ると色紙に英語で何か書いてある。 「……何これ?」 「俺が作った詩とイラストだよ」 更によく見ると英語の横に天使の絵が描いてある。 「へぇ……。なんて書いてあるの?」 「大丈夫。君は一人じゃないよ。どこかに君の翼があるんだよ。愛する人の翼が」 …………。 「……相田みつを?」 それしか出てこなかった。 「みつをじゃねぇよ!! 俺のオリジナルだよ!!」 うん、まぁ、そうなんだろうけど……。
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