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「よいせっと」
男が私を強引に連行して行った先は、セントラルパークの隅っこの茂みだった。
男が茂みから、大きな風呂敷包みを取り出した。
……すげぇ。今時、唐草模様の風呂敷って。
よくマンハッタンに売ってたな……。
私が妙なところに感心していると、男が風呂敷をひろげて、中のものをがさがさと漁り出した。
「これ」
「これ?」
男が一枚の色紙を手渡してきた。
「さっきのお礼」
よく見ると色紙に英語で何か書いてある。
「……何これ?」
「俺が作った詩とイラストだよ」
更によく見ると英語の横に天使の絵が描いてある。
「へぇ……。なんて書いてあるの?」
「大丈夫。君は一人じゃないよ。どこかに君の翼があるんだよ。愛する人の翼が」
…………。
「……相田みつを?」
それしか出てこなかった。
「みつをじゃねぇよ!! 俺のオリジナルだよ!!」
うん、まぁ、そうなんだろうけど……。
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