312人が本棚に入れています
本棚に追加
ジロッと男をガン睨みすると、男がふっと肩を落とした。
「俺な……この三日間……水しか口にしてないんだよ……」
「……さっき私のホットドッグとコーラ……。それからチップス食べたじゃん……」
「……家にさ……病気の母さんが居て……」
「……男一人でマンハッタンでなんとかかんとか言ってたじゃん」
「お前、いちいち細けぇよ!! 黙って聞けよ!! 俺の話!!」
「なんであんたの小芝居を黙って見とかなアカンねん!!」
「とにかく100ドルだ!! 100ドルくれ!!」
「最終的には包み隠さず直球かい!!」
ああ、なんかもう……疲れてきた!!
なんでマンハッタンくんだり来て、珍妙な男とコントやってんだよ!! アタシは!!
自分ツッコミしながら、財布から100ドル札を抜き取り、男の顔面にパシーンと貼り付けた。
「ホラよ!! 100ドルだ!!」
「毎度ありぃ!! あ、お客様。領収書はいかがいたしましょうか?」
「いらん!!」
最初のコメントを投稿しよう!