セントラルパークで会いましょう

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満面の笑みを浮かべ、100ドル札をキョンシーの如く額に貼り付けている男にそう怒鳴った。 「じゃ、これ」 男が色紙を私に手渡す。 「1枚オマケしてやったからな!! 感謝しろよ!!」 ……嬉しくない。 12枚プラス1枚の合計13枚のみつお擬きの色紙。 いっそ……劇団員のおみやげにするか。 よからぬ事が頭をよぎる。 そんな私をよそに、男が唐草模様の風呂敷を背負い、意気揚々と手を上げた。 「んじゃ、俺帰るわ。お前と違って、俺、忙しいし」 ……散々、絡んどいて言うことはそれかい。 「じゃ、あばよ!!」 そう言うと、男はスキップしながらどこかに行ってしまった。 一人残され、どっと疲れが押し寄せる。 もう、二度と会う事は……ないと信じたい。 なんか、妙なフラグが立ったような気もするが……気のせいだ!! 絶対に……気のせい!! そう自分に言い聞かせながら、脱力する私が居たのだった――
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