炎のランナー

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「は? 真智子さん、何を言って……」 「良いから、逃げましょう!! 誠治さん!!」 そう言っている間にも、どんどん近づいて来ている。 あの男が!! 特徴的なサングラス。サイケな柄のバンダナ。 そして――唐草模様の風呂敷。 唐草模様の風呂敷を背負った男が満面の笑みを浮かべ、手を振りながら、ドタドタと走って来ている。 それを見た瞬間、弾かれたように立ち上がり、猛然とダッシュして逃げる自分が居た。 「真智子さん!? どこに行くんですか!?」 その後ろを片岡誠治が追いかける。 そしてその後ろを唐草風呂敷の男が。 「待て、こら!! 何で逃げるんだよ!!」 唐草風呂敷の男が叫ぶ。 そら、逃げるわ!! ツッコミながら、猛然と走る。 「真智子さん!! 待ってください!! 真智子さん!!」 「待て、こらぁぁぁ!!」 ――多分、これ以上ないぐらい――シュールな絵面が出来上がっているだろう。
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