炎のランナー

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早朝のマンハッタンの公園を全速力で駆け抜ける、珍妙な日本人。 ちっこいふわふわした小型犬を散歩させている老婦人とすれ違う。 すれ違った瞬間、老婦人が「ノゥ!! マイガッ!!」とそれは見事な英語で叫び、小型犬を抱き上げた。 うん、老婦人。あなたの反応は正しく正解!! 私もやるだろう。 早朝の公園で、珍妙な日本人がすれ違ったら、マイガッって言いながら、マリリンちゃん的な小型犬を抱っこするよ!! つか、つか……これ絶対!! 国際問題だよね!! オバマさん!! ホント、すいません!! 日本の偉い人!! 猛然と走り抜けながら、日本の偉い人たちに謝罪している時だった。 背後からズゴー!!というものすごい音が聞こえた。 思わず足を止め、後ろを振り返る。 見れば唐草模様のあの男が、道に突っ伏したようにして倒れていた。 男の周囲に散らばるたくさんの色紙。中途半端に開いた唐草模様の風呂敷。 漫画的な絵ずらでコケた男を見ながら、息を整える。
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