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OAに合う服を探すべく、俺は自分の部屋に向かった。
途中のリビングにある机の上をふと見ると、メモがある事に気づく。
「?」
裏返しになっているそれを表に返し、書いてあることを読んだ。
「今日は帰りません…?両方帰ってこないのか?」
メモは親からのものだった。今日は朝まで帰られない、という事だろう。それにしても両親が帰らないのは珍しい。
「まぁいいか…」
するとお風呂からガチャンと戸を閉める音がした。
「あのー拭いたー」
「あぁ、ちょっと待て!」
急いで俺の服の中からチェックの半袖の上着を取りだし、風呂場に戻った。
「これでいいかー…ってうわああっ!!」
「なにか」
あれほどバスタオルを巻けと言ったのに、OAは頭にバスタオルを巻いて民族のようにしていた。つまりすっぽんぽんということだ。
「お前人間としておかしいぞ!!まずはパンツを履け!!」
「ないです」
「はあっ!?今までノーパンだったのか!!バカ野郎!!」
俺に妹はいないし、ましてや母親のものを使わせるわけにはいかない。俺のや父親のは論外だろう。
「…母さんの短パン貸すから着ろ。安全ピンでとめりゃなんとかなる」
「わぁい」
バスタオルをほどき、背中までの銀髪をふるふると震わせた。
「ほら、このズボン履け。腹巻きを改造した母さんお手製のあったかいズボンだからぶかぶかではないはずだ」
ピンクとオレンジのもこもこした可愛らしい柄のズボンを渡すと、OAは悪戦苦闘しつつも履き終えた。
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