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1月10日
新学期1日目。心から冬休み1日目に戻ってほしい。
そう俺…桐生蓮(きりゅうれん)は願いながら、ズボンのポケットにあるカイロを握りしめていた。
吐く息は白く、都会には珍しい雪がしんしんと降っている。
肌を刺すような寒さに耐えながら、学校の校門をくぐった。
俺は主人公の設定にありがちな平凡な高校生だ。
本当に平凡で、さりとて成績がいいわけでもなく、彼女もおらず、友達と他愛もない話で盛り上がる、青春真っただ中の高校1年生だ。
そんな俺に非日常なんて、ましてや命に関わる事件なんて無縁だと思っていた。
―――今日までは。
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