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アオを連れて、周りに警戒しながらデパートへ急ぐ。
アオは結界のようなものも張れるらしく、近くにチェーンズの人間が来た場合は分かるらしい。
「くそ寒いな…」
上着がブレザーだけでは寒さをしのげない。とにかく寒い。
「あったかいよ」
アオが手を握ってきた。
「冷てぇ!!お前ほんとに寒くないのか?無理してねぇか?」
するとアオはピクッと肩を震わせ、真っ直ぐ俺を見上げた。
「ちょっと」
「寒いのか…なんでさっき平気とか言ったんだよ」
「だって気をつかわせるから」
俺は、ため息をつくと、首に巻いていたマフラーをとり、アオに巻かせた。
「逆に気をつかうなよ。俺はある程度我慢できるけど、お前は子供だろ」
アオはきょとんとしていたが、やがてうつむいた。
キュッと手を握られる力が強くなった気がした。
「行くか。警戒よろしくな」
「うん」
…デパートまでこんな寒いのを我慢できるのかな、俺。
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