桐生蓮という平凡な高校生の日常

4/17
前へ
/27ページ
次へ
教室に着くと、あまりの暖かさにマフラーを脱いだ。 いくらなんでも暖房30度はないだろう…。俺は静かに設定温度を23度まで下げる。 さっさと席について、HRまでの短い間を睡眠に費やす事にしよう。そう思いコートを椅子にかけ、カバンを枕に寝た。 突然。 「痛ぇ!!」 頭に激痛を感じ、ガバッと起き上がり頭を押さえる。 物理的な痛みではない。脳の真ん中からギリギリと痛みが響いている。 「ちょっと…蓮?どうしたの?」 七海が心配そうに顔を覗きこんできた。 「いや…いきなりものすごい頭痛が…」 まだ痛みが続いていて、首の辺りを擦ってみる。肩こりが原因…ではないよな。 「平気なの?」 「うん…まぁ耐えられないわけではないけど…」 「私痛み止め持ってるよ?飲む?」 そう言って七海はバファ●ンを取り出す。 それは…男子の俺が貰っていいのか…? 「痛み止めはいいって。保健室行くし!」 無理に威勢を良くするが、一向に頭痛は収まらない。それどころかどんどん酷くなっている。 もしかして血管でも切れた…?まさかな。俺まだ16歳だぞ。 あと5分でHRだが、HRをこのまま乗りきれる気がしない。とりあえず保健室に行くことにした。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加