桐生蓮という平凡な高校生の日常

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「原因不明の頭痛ね…。風邪でもないなら何かしら?桐生君女の子じゃないから生…」 「いやいやいや言わなくていいですってば!」 冷えぴたをおでこに貼られ、椅子に腰掛けながら保健室の先生から渡された紙に症状と体温を書いた。 体温は36.7度。いたって普通。 「ピュアなのねぇ」 保健室の中年先生に温かい目で見られるが嬉しくない。 「頭痛はまだ続いてる?」 「さっきより酷いかもしれないです」 「保健室で休む手もあるんだけど、治るとは限らないし帰ったほうがいいかもね。とりあえず担任の先生には私が連絡するから、帰っていいわよ。お大事にね~」 1限目も始まらないうちに帰られる、そう思うと少しテンションが上がった。 教室まで荷物を取りに行き、そそくさと学校をあとにした。
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