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「ここだけの話なんですけどね…昔まで殺し屋やってたんですよ」
「…え?」
ウォッカを注ぐ手が止まる。
そして板橋は夏目の目を見たまま硬直する。
「ふふっ…俺もだよ……昔人間界にいた頃は殺人犯だったんだ…たった一人の少年の運命を変えてしまったよ……今じゃこんな偽善者ぶった議員だよ。兄さんは何で殺し屋に?」
夏目はこの時を待っていたかのように。
やっとこの日が来た。
ニヤリと笑って板橋を指差す。
「お前を殺す為だよ」
「え?ハハハハハッ!!面白いこと言うねぇ!!」
「トンネルで中学生を刺し殺したコトは?」
その言葉で板橋が再び硬直する。
やっと思い出したか。
「お前…」
板橋の表情が一変して恐怖へと変わる。
「……まさかあの時の…なるほどな……やっと来たんだね」
「…ご託は良いから死ね」
夏目はアイスピックで板橋の腹を突き刺す。
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