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野々村は、「そうか、合唱祭なんてものがあるのか」と、あんずの話に相づちを打ち、目を細めた。
「そうなの。歌はね、『幸せなら手を叩こう』を歌うの」
あんずは幸せなら手を叩こう。と、ワンフレーズを歌い、はにかんだ。
「上手じゃないか」
「そんなコトないよ、まだ練習中だもん」
野々村が褒めると、頭をぶんぶんと振り、照れるあんずが可愛かった。
野々村は「じゃあ、練習が終わったらまた、歌ってくれ」と笑い、あんずは「うんっ!」ととびきりの笑顔で頷いた。
野々村はそんなあんずを嬉しそうに見ながら「そういえばお菓子をもらったんだ。片付けるのを手伝ってくれ」とあんずに言った。
こうして、野々村とあんずは、かなりの歳の差はあったものの、互いに『年の離れた友人』として、放課後の茶飲み友達となっていった。
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