茶飲み友達

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宿題が終わると、テレビを見ながら、あんずの話に耳を傾けるのがいつものパターンである。 時々、近所の住人がくれるエンドウや野菜の下拵えをするときもあり、そんな時はあんずはその日の出来事を野々村に話ながら、手伝いをしてくれていた。 一人暮らしが長く、簡単な調理ぐらいなら苦にはならない野々村ではあったが、パーキンソン病が進行してきつつある昨今、細かい作業を不得手としており非常に助かっていた。 今日もそんな日で、頂き物のスナップエンドウがポリ袋に入って台所に置かれているのが目に入ったあんずに 「すじ、取ろうか?」 と、きかれ、貰ったことすら忘れかけていた野々村は 「忘れるところだった。手伝ってくれるのか、ありがたいな」 と、笑った。 あんずは、すぐに勝手知ったる台所からザルとボウルを持ってきて、スナップエンドウをざらりとボウルにあけた。 「えんどうのすじとりは、ハマるんだよ」 あんずは笑って、勢いこんで筋をとりはじめた。 ぷち。ぷち。 ぷち……。 と、野々村がひとつのエンドウの筋をとる間に、あんずは二つ三つのエンドウの筋を取ってしまう。 「なるほど、手慣れているね」
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