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彼女は息をすぅーっと吸い込む。静かな部屋で、つばを飲み込む濁音だけが響く。
「でも、やっぱり変なんです。その『何か』は日に日に姿が濃くなっているようで……。
もしも、あの姿をはっきりと私が見てしまったら、私はどうなってしまうんでしょう?
あれはなんなのかしら。私はどうしたらいいんですか?」
彼女のやつれた顔と、干からびたような肌。
わずかな光が差し込む部屋で映し出される陰影とあいまって、彼女を実年齢からかなり老けさせて見える。
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