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中に入った僕はあまりの凄さに驚いてしまった。とても芸術的でね。
「…凄い。しかもかなり広いし、芸術的だし何より凄く楽しそうっ」
僕は目を輝させては何度もキョロキョロと見渡す。
「まるで子供みたいだな、海哩は」
「だって僕はまだ14歳だよ。それに仕方ないじゃんか。パーティールームなんて初めて見たんだからさ」
「じゅ…14歳」
「うん。エルガは何歳だと思ってたの」
「あまりにも大人びていたから16歳かと。でもよく見るとまだ顔が幼いな」
まだ顔が幼いってエルガ、それ僕に対して失礼だよ。そんな事を心で言ってると突然女性の声が聞こえた。
「エルガ様ぁーっ」
沢山の淑女達はエルガと僕を囲むようにして集まった。すると一人の女性がエルガの前に出た。
「なんですか、セリア殿」
セリアと言われた淑女は僕を見ながら聞く。
「この殿方はどなたですの、エルガ様っ」
ごめん、嫌な予感しかしないんだけど。しかもこの人今「殿方」って言わなかったかな。聞き間違いであって欲しい。
「彼は滝水 海哩。今日から新しく城に住まう事になった者だ」
「「「「海哩様ですね」」」」
名前を聞いた瞬間、貴女達は獲物を見つけたかのように僕を再び見る。しかも少しずつ歩み寄って来てるし…。
「またかよぉ…」
嫌な予感的中。リアルに泣きたいです。
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