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「次どこ行こっか。海哩はどこか行きたい所あったりする?」
琉梨はウキウキしながら僕に話しかける。まだカラオケでのテンションが抜けないのだろう。
「仁はどうする」
「俺に振るなよ海哩。え~と…ゲーセンとかどう」
「「ナイス、仁」」
琉梨と僕は見事にハモった。それが面白かったのか仁は吹き出してしまった。
「本当に息が合うな二人な、んじゃ行こうか」
仁は未だに笑いながら、僕と琉梨は笑われた事に恥ずかしくなり顔を少し赤くしながら歩き出した。
問題はここから始まった。
「ちょっとそこの君、赤いネクタイの男の子待って」
「ん…僕達だよね。何か用お姉さん方」
僕は三人の女子高生に呼び止められ足を止めた。
「君カッコイイね、何処の学校?」
「…碧岳蟇目中だけど」
碧岳蟇目中学校とは中学の中で一番頭が良い生徒達が集まる名門なのだ。
そこに琉梨と仁、僕が所属している。
「あの名門中学とか凄いじゃん」
「名前教えてくれるかな」
「僕は滝水海哩だけど」
僕は興味があるないを置いて早く通り過ぎたい。寧ろこういう女性にはあまり話しかけてもらいたく欲しくない。
いつも女性に捕まる。
僕、お姉さんと同じ女だからね。勘違いされるのは僕が男装してるからだけどさ。
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