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「生意気な子やね…一度痛い目みないと分からんようやな。君が今何言ってんのかっ」
藍那は物騒にも木刀を出して構えた。それにしてもナンパが失敗しただけで暴力って危ない人だなー…。
「へぇ、藍那さんも剣道部なんですか」
僕も藍那さんと同じく木刀を出し構える。因みにこの木刀は部活でいつも使っている愛用品だ。
「…何で分かったん」
「構えを見れば直ぐに分かりますよ。でも力は僕より下だ」
「言ってくれるやんッ」
力が下と言う言葉を聞いた藍那さんは頭にきたようで先に攻撃を仕掛けた。それを簡単に僕は受け止めたけどね。
「君みたいな中学生に高校生が勝てるとでも思ってるんかいなっ。腕の力ではウチの方が一太刀が重いんやで。君は勝てへんっ」
「…喋り過ぎると舌噛みますよ」
最初は軽く防いだり受け流したりしていたけど飽きたので決める事にした。
藍那さんはもう一度と木刀を僕に目掛けて降り下ろした。僕はそれを下に軽く受け流した事で自分の木刀は勿論地面にぶつかってしまう。その前に僕は力を込め藍那さんの木刀を横に振りバランスを崩した。その隙に素早く自分の木刀を上げ藍那さんの首の真横に木刀を刺した。
「僕の勝ちですね藍那さん」「うっそ~…少し位手加減してくれてもええやんか」
「僕はどんな勝負でも手は抜きません。剣道部副部長、次期部長になるから者が手抜きしたらある先輩に顔合わせ出来ないし。それに、部の掟だし」
僕は木刀を晒に巻き琉梨と仁の手を引いてその場から走って逃げた。
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