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僕と琉梨が恋人同士だと皆に嘘を言うと「そんなぁ…」とか「彼女いたって可笑しくないよね」とか色々な声が聞こえた。
嘘を付いているので罪悪感が残っていて本当に彼女達には申し訳ない。でも僕が女だって知ってたら百合…いや何でもない。
「最後に私達だけに笑ってくれないかな」
「え、えぇ良いですよ。恋人にはなれないけど友達としてなら喜んで。それと良ければ今年の碧岳蟇目中の文化祭に遊びに来て下さい。僕はそこで司会をしていますので」
ちゃっかり文化祭の宣伝をしながら言い終わると僕は優しく微笑んだ。僕達が去った後女子達は興奮したままで頬をほんのり赤く染めていたらしい。
「ふぅ、疲れた」
さっきから琉梨は僕を少し睨んでいる。その原因は恋人のふり。いきなり演技をふられたら誰だってそうなるよね。
「悪かったって。ああいう事しか思いつかなくてさ…」
「でも海哩の恋人だったら誰でも羨ましいと思うぜ。海哩は俺より恰好良いしな」
仁はさっきまでの海哩の彼氏のふりの感想を述べていた。
*-*-*-*-*-*
「って具合いかな」
「それと睡眠薬入りクッキーとどう関係があるんだ」
エルガは少し理解が出来無かったようだ。それもそうだ、だって一通り話しただけだし。聞き方によっては自慢話かただの話になってしまうしね。
「あんな風に彼女のふりとか可哀想だから他に手といったら眠らせる位かなって」
結果的に話をまとめると、追い掛けられるのは困るので「眠らせる=睡眠薬」と考えたからクッキーに睡眠薬を入れたのが始まりって訳だ。
それでも僕の悩みは尽きない所か増える一方な今日この頃だった。
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