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「今日は何処を案内してくれるの」
僕とエルガは話をしながら廊下を歩いていた。時々兵士らしき人にすれ違ったりする度にエルガに向けて敬礼したりお辞儀をしたりして挨拶をする人がいた。
「食堂だ、王宮兵士とかが主に使用しているがな」
「食堂か、お腹減ってたから丁度いいね」
時刻は七時丁度。朝食には良い時間だ。早く行きたいがためにエルガの背中を押して食堂を目指した。そんな僕を見てエルガは「急がなくても朝食は逃げたりしないぞ」と苦笑された。
食堂に着くと中では兵士が談笑しながら朝食を取っていた。
「良い香りがする。ここで食事してもいいかな」
「……構わないが」
エルガは辺りを一通り見た後少しの間を空けて許可した。何故だろう…最初の間が気になって仕方がないんだが。まぁ、何でもないだろうからいいや。そんな事を考えていると一人の兵士がエルガに話しかけてきた。
「おはようございます、ってエルガ司令官。その方は誰ですか」
近くの席に座っていた兵士も気になるのかエルガと僕を見た。
「異世界から来た者だ。海哩、挨拶を」
ポンと背中を軽く押された。とりあえず挨拶しないとね。
「初めまして、滝水 海哩です。ってエルガ、司令官だったの」
挨拶をしている最中にエルガに聞いてしまった。だってエルガが司令官だったなんて初耳だし凄く驚いた。
「そうだが」
気になったのでエルガに聞くと王宮司令官とは兵士や武闘派側の貴族達に指示を出しまとめる役で結構地位が高く難しいそうだ。
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