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「それより、食事しようよ。空腹で少し頭が痛いし」
かなり驚いたが空腹に勝てる筈もなく食事を優先する事にした。詳しい話は後で聞けばいいか。
厨房に寄ってみたが人がいなかったため少し大きな声で呼んでみた。
「すみませーん」
「…はーい今行きますーっ」
奥から女性の声が聞こえた。どうやら料理を作っている最中のようだった。
「あら、貴方が海哩様ね」
「へ、何で知ってるの」
「ルージュ陛下から聞いたの。だからですよ」
なるほど…だから知ってたのか。という事は主にこれからお世話になる人には既に名前が知られてるって解釈していいのかな。
「注文したいんだけどこれは作れないってのあるかな」
「全くないですよ、何でも大丈夫なんだからっ」
朝から元気な人だなぁ。羨ましい。
「ロールパン2つ、フルーツ、ポテトサラダ、ベーコンの野菜ソテーとスクランブルエッグ。飲み物はアップルティー。デザートはバニラアイスで」
「ちょっと待って下さいね」
そう言うと厨房に戻って行った。そういえば名前を聞いてなかった。
「さっきの人の名前はなんて言うの」
さっき聞きそびれたからエルガに聞いてみた。
「彼女はカノン・エレキット。殿下の世話係と料理人をやっている」
「殿下…」
「ルージュ陛下の息子だ」
「へぇー、そうなんだ…って息子いたの?子持ちとは見えなかったから意外」
そんな事を話していたら10分後にメニューが出来たとカノンの声が聞こえた。
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