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自室に戻ってからは少し苛々が収まっていた。僕は椅子に座らず壁に寄っかかりながら滑るように床へと座った。
「エルガもされたのか…気の毒に、って自分もだけどね」
キスなんていずれするんだからそんなに気にする事ないんだって。でも…胸が苦しくて苦しくて痛い。頬が湿った感じがして手で触ってみるとそれは涙だった。
「あ、あれ…なんで涙なんか出て」
ふと鏡を見ると僕の両目には涙が溜り雫が頬を伝っていた。今の自分の姿を見て無性に悲しくなった。
「泣くなんて馬鹿だよな。でも…どうせなら好きな人としたかったな」
その時の僕はどんな風に泣いていたのだろうか…。何度も泣いていたから頭がぼやっとしてあまり覚えてない。
心の中が大雨でもいつか晴れるよね。だから今は少し休もうかな…本当に泣き疲れた。
僕はベッドに移動するといつの間にか眠っていた。
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