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僕は眠っている間に夢を見た。何処かで見たことがある映像…いや、記憶だ。遠い昔の記憶。人生の中でとても哀しく辛くい一番思い出したくない「辛い記憶」
その記憶に出てくる幼い少女は病室で何度も辛そうに泣いていた。
「…かな…で、わたしを…にしな…でよっ…!」
途切れ途切れの言葉で聞き取れないけれど最後のこの言葉だけは嫌と言う程はっきりと聞こえた。
「どうしてっ…どうしてわたしをおいて、天国にいっちゃったの…?おいてかないでよっ!!」
僕はその言葉を聞いた瞬間勢いよく起きた。何故か涙を流して。
「今のは…父さんとの最期の時の…」
あの時は死がどんな事なのかまだ理解が出来なかった。だから余計辛い記憶。
「そういえばキス魔にキスされて…あぁ!!また腹が立ってきた!」
何故かまた思い出してしまった。それほど嫌な方向に印象深い出会いって事なんだな、腹立つ。僕は泣いて腫れあがった顔を冷たい水で洗いタオルで拭いた。
「どっか行こ」
僕が見た夢は辛く哀しい幼き日の記憶。その夢に出てきた僕の父親は病気で他界してしまった為この世にはもういない。
だけどその父親らしき人物に近々会う事になるなんて全く思わなかった。
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