忘れられない過去

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  誰かが僕の扉をコンコンと二回鳴らしたようだ。でも僕はそれに気付いていない。 「海哩、いるか」 その人はまた同じ調子でコンコンと二回ノックするが返事は一方的に返ってこない。部屋の主である僕は未だに気付いていなかった。 「……海哩?」 またしても気付けなかった僕は返事を返せる筈もなく、その人は何十回もコンコンコンコンコンコンコンコンとノックしまくった。そのお陰でやっと気付く事が出来た。 「はーい」 「何時までノックさせる気だ貴様は」 「あ、ごめん…えと、何か用エルガ」 扉を開けるとそこにはついさっきまでノックをし続けていた人物、少し怒っているエルガがいた。 「扉閉めて髪を結ってて全然聞こえなかったからさ」 僕はあの日から髪を伸ばし続けている。腰の所まであるから髪はポニーテールか1つお団子。 「普通聞こえると思うが…今回は見逃すがこれからは気を付けるように。それと早く行くぞ、海哩」 「え…僕もなの。それに行くってどこに」 「それは到着してみれば分かる」 とりあえず暇だからエルガに付いてく事にした。キス魔に絶対会いませんように。
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