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「大丈夫か、海哩」
エルガは僕の腕を引っ張ってくれたお陰でなんとか湖から上がる事が出来た。落ちた時に水を多少飲んでしまった為咳をした。
「どうしてくれんだよ!キス魔!!」
湖に落ちた為勿論僕の服はびしょびしょに濡れてしまい風が吹くと一層寒く感じた。髪も濡れ、落ちた時の衝撃で髪は乱れていている。太陽の光が当たるたびにきらきら光っていた。
「ふむ…何だかとてもいやらしく見える。誘っているみたいだな」
「この変態がっ!厭らしいのはお前の頭だ。それに誰が誘うだ…っ…」
さっきからセクハラ発言をするキス魔に怒鳴ろうとしたら頭がクラッとなりその場に倒れてしまった。
「か、海哩!どうした!?」
エルガは僕に近寄り抱き起こした。エルガの体温が温かく感じたけれどそれは一瞬。
「体が寒、い…頭が凄く痛いっ…」
その言葉を聞くとキス魔は僕の額に手を当てた。多分熱を計っているのだろう。手を引っ込めるとエルガに「早く医務室へ行きましょう」と少し慌てて伝えた。
熱がある事が分かったエルガはキス魔と共に医務室へと走り出していた。僕はエルガにお姫様抱っこをさせられて…。
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