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「楽しそうな話し声が聞こえたと思ったら海哩が来ておったのか」
「ルージュ様」
ルージュ様はいつも座っている大きな椅子に座ると僕を見た。
なんだろう。
「湖に落ちて大変だったらしいな。今は元気そうで何よりだ」
安心したように優しい笑顔を見せながら言う。色んな人に迷惑かけてたんだな。それにしてもルージュ様って父親みたいだなー、って思って見ていたらルージュ様は何かを思い出したような顏をした。
「おぉ、そうだった!海哩に紹介したい人がおってな」
「僕に紹介…したい人?」
ルージュ様は「そうだ」と頷くとリオと呼んだ。そうすると奥の部屋から男の人が出てきた。
…嘘、だよね…何かの悪い冗談…でしょう。
「陛下、お呼びか」
なん…で…これは……夢、なのか…。
「父さん…っ」
「なっ…!?」
僕はリオに抱きつき泣きながら話し始めた。
「やっぱり死んだなんて嘘だったんだ…!父さんが亡くなってから忘れた日なんて1日もなかった…」
涙は何時までも流れてて止まらない。
「夢に出てきても、すぐ消えちゃって…会いたかった」
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