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「とても言い辛い事なんだが、私はそなたの父上ではない」
「え……あ、ごめん…」
リオを放すと力無く床に座った。
「ごめんなさい…」
もう一度リオに謝った。それと同時に涙が出てきて、また泣いてしまった。
「もう…いないはずなのに。分かっているのに…」
「辛かったんですね…」
「キス…魔?」
急に抱きしめられたから驚いたけど今の僕には凄く有り難くて少し…落ち着いた。
「大丈夫ですよ。海哩のお父さんはもういませんが私達が側にいます。貴方は一人ではありませんから」
小さい子供をあやすように背中をポンポンと叩きながら言った。その言葉はとても優しくて、あたたかった。
「ありがとう、クローズ…」
「やっと名前で呼んでくれましたね」
今なら"キス魔"じゃなくて"クローズ"って呼んでいいかなって思えて名前で呼んだ。
「海哩に名前で呼ばれると恋人みたいで嬉しいです」
ごめん、前言撤回しても良いかな?クローズの頭の中には変態しかないのか、そうかそれは残念だ。
「せっかく見直したのにもう名前で呼ばない!!くたばれキス魔!」
何時もの調子でキス魔にストレートパンチをお見舞いしてやった、鳩尾に。
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